その日は暖かな日でした。
外からは鶯の鳴く声が聞こえました。
そのために、カメオはもう生きて帰ることは出来ないということを悟ったというのです。
一体、どういうことなのでしょうか?
※エルナトさんの問題文のリサイクルです。
転載元: 「【鶯ますか?リサイクル】死告鳥」 作者: かしーた (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/625
世のあはれ 春ふく風に 名を残し
おくれ桜の けふ散りし身は
ーーお七
我がジャッポンの囚人が収容される刑務所は山奥にございます。ほとんどの牢屋は完全な防音となっているのですが、翌日に処刑される囚人は、外の音が聞こえる唯一の牢屋に移されます。処刑の前日くらいは、風雅な音でも聴いて過ごさせてやろうという温情が故でございまして、この事は囚人にも公知となっているようです。
さて、ある暖かな日、恋人一家を放火で殺めた罪で死刑となったカメオは、看守により無音の牢屋から連れ出され、外の音が聞こえる牢屋へと移されました。鶯の鳴く声が聴こえることに気づいたカメオは、明日処刑されるのだと悟り、もうあの無音の牢屋には生きて帰ることは出来ないということを悟ったのでございます。