空白の5分間

自動販売機の缶コーヒーを飲みたくなったカメオは、財布から100円を出した。
その5分後、カメオは120円の缶コーヒーと、飲むつもりのない130円のオレンジジュースを自販機で買った。
一体なぜ？

簡易解説：二人分の飲み物を買ってくることを賭けて100円玉を使ったコイントス勝負をして、負けたから。

事務室で仕事の休憩中のカメオとウミオ。

カメオ「あー、喉渇いたな……。缶コーヒー飲みたい。ウミオ、買ってきてくれ。金は出すから」
ウミオ「は？嫌だよ、自分で買ってこいよ。ここから一番近い自販機まででも結構距離あるし」
カメオ「そうだけどさ……。じゃあ、こうしよう」

カメオ、財布から100円玉を出して、

カメオ「コイントスで勝負だ。俺がこの100円玉を上に弾いて落ちてきたのを取って手元に隠して伏せて、お前が先に表か裏かを言い当てる。年号が書かれている方を裏とする。俺が勝ったら、缶コーヒー買ってきてくれ。お前が勝ったら、お前の分の飲み物も買ってきてやるから。金も、負けたほうが二人分負担で」
ウミオ「……それ、ジャンケン勝負とかじゃ駄目なのか」
カメオ「一度やってみたかったんだよ、コイントス勝負。どうする？」
ウミオ「……分かったよ、それでいこう。あ、俺はオレンジジュースな」

ウミオの返事を聞くなり、カメオは100円玉を右手の親指で上に弾き、落ちてきたそれをまた右手でキャッチ、そのまま左手の甲の上に素早く伏せて隠す。

カメオ「どっちだ？」
ウミオ「……表で」
カメオ「じゃあ俺は裏だな」

表が出た。

カメオ「……覚えてろよ……」
ウミオ「お前が言い出したんだろ！？」