男は、乗り物酔いに苦しめられながらも、なんとか絶海の孤島にたどり着いた。
周りには誰もいない。履いていた革靴も今はない。これではどこにも行けない。
男は途方にくれた。
とりあえず、ビーチパラソルのようなものが見える。そこで身を休めるとするか。
さて、数日後この男が袋にぎゅうぎゅうに酒を詰めているのはなぜ?
*アメミヤさんから頂いたお題「お酒」「絶海の孤島」「乗り物酔い」つのめさんから頂いたお題「革靴」「ビーチパラソル」です。アメミヤさん、つのめさん、ありがとうございます。
*できるだけ多くのお題を含める限界にチャレンジしてみました。
*若干要知識要素があります。
*6月27日(日)24:00ころ終了とします。
転載元: 「All by myself」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6068
:海外の孤島リゾートからの帰国途中、トランジットの空港で、機内持ち込み制限に引っかからないよう酒のミニボトルを袋に詰めている。
〜福引会場にて〜
なんなんだよ。
絶海の孤島の高級リゾートにお一人様招待って、なんの嫌がらせの景品だよ。
もう一人は追加料金で参加できます、って完全に旅行代理店の策略じゃねえか。
そもそもそんなところに誘う相手もいないよ。頭にきたから、一人で参加してやる。
〜空港にて〜
「当ラテラル・ハイダウェイ・リトリートはワンアイランド・ワンリゾートとなっております。空港から当リゾートまでは専用船でご案内いたします。」
船かよ。俺船弱いんだよ。しかも、結構海荒れてるな、おい…。
〜ラテラル・ハイダウェイ・リトリートにて〜
あー気持ちわりー。酔ったわ。
「お客様お一人様ですか?」そうだよ。悪いか。「当リゾートでは、日常社会からの隔絶をモットーとしております。腕時計と革靴をこちらでお預かりしておりますので、ビーチサンダルにおはきかえください。」
は?なんだよそれ。
「こちらが、お客様のお部屋、ビーチサイドタートルコテージとなります。ご滞在期間中、ごゆっくりお過ごしください。」
いやいや、ごゆっくりって言われても。
こっちは筋金入りのインドア派で、マリンスポーツとか一切興味ないんだけど。
3日間どこにも行けないでどう過ごせばいいんだよ。
あ、あそこにビーチパラソルみたいなのあるな。酒でも持って、あそこで音楽聴きながら昼寝でもするか。
〜3日後 ラテラル国の出国空港にて〜
やることなかったけど、まあまあのんびりできたのは良かったな。
ゆっくり休めて仕事の疲れも取れたし。波の音聞きながら昼寝ってのも悪いもんじゃなかった。
帰りは船もそんなに揺れなかったし。トランジットの空港で買い物でもするか。免税店で酒でも買って帰ろう。
〜トランジットの空港にて〜
「お客様?この先国際便に乗り継ぎですと、その大きいボトルのお酒はご購入いただけません。」
「え、そうなの?」
「こちらのミニボトルのものであれば、ビニール袋に詰められる範囲でご購入いただけます。」
仕方ない。せっかくだからミニボトル買って袋に詰めるだけ詰めるか。
*国際線には液体持ち込み制限があります。トランジットでも制限対象になることがあります。
(最近では免税店の密閉された袋から開けなければOK、となる場合が多いようです。)
*現実と切り離すために時計と靴を預かる高級リゾートがあるっていうのは聞いたことあります。
(行ったことないので実際に行われているのかは不明。)