【コラボウミガメ！】Every teardrop is a waterfall

エルフのロザリアは、目から宝石の涙を流すというその噂が広まり、悪党どもに狙われていた。

ある日のこと、ロザリアはついに宝石を狙う悪党に見付かってしまった。

恐ろしさのあまり、ロザリアは宝石の涙を流したが、悪党は宝石を持ち去ることなく、そのまま帰ってしまった。

どうして？

＊メラさんからいただいた問題文のオマージュです。メラさん、ありがとうございます。

簡易解説：目から巨大な宝石の原石を出す異形の妖精などおぞましいとしかいえない。

「ふふ、追い詰めたぞ。堪忍しろ。」
「やめてください。」
「ほら、泣けや」
「…泣いていいんですね？」
「…え…？」

次の瞬間、美しいロザリオの顔は醜く変形した。
片眼ー右目だけが巨大になり、他の顔のパーツはくしゃくしゃになってすみに追いやられた。
そして、顔全体を覆い尽くした一個の目からは、ロザリアの美しかった緑の眼球が消え失せ、空洞となった陥没した眼窩からは、巨大な岩の塊がゴロンゴロンと何個も音を立てて地面に落ちていった。
小さいものでもロザリアの頭より大きく、大きいものはひと抱え以上もあっただろうか。

そのおぞましい様を見た悪党どもは、恐ろしさのあまりひいと悲鳴をあげた。

転がる大きい岩に押しつぶされそうになって逃げ惑う悪党もいる。

「な、なんだこの化け物？」
「目から石を出すなど化け物に決まっているだろう。ほらもっていくが良い！」

ロザリアは中でも大きい岩を軽々と拾い上げると、悪党の親玉に向けて投げつけた。
間一髪でその攻撃を逃れた悪党の親玉は、命辛々そこから逃げ出した。

「…こっちは妖精なんだから、自然のままの原石しか出せないに決まってんじゃん。カット技術は人間しか持ってないんだからさ。…さてこれどうしよう。まあ、持って帰ってまた馴染みの宝石加工業者に売るか。まあ一度も目から出てくるところは見せたことないんだけどね。」

そう言うと、ロザリアは、学校帰りの子供が石を蹴りながら家に帰るように、たくさんの巨大な岩を蹴飛ばしながら家まで帰ったそうな。