ある島にパルフという名のドラゴンがいた。パルフは島民から愛され、島の子供達と毎日遊んでいた。
そんなパルフは、ある日突然、子供たちを食べた。一体どうして?
*天童魔子さんの後塵を拝しましたが、メラさんの問題文で出題しました。
メラさんどうもありがとうございます。
転載元: 「Els dracs viuen per sempre」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5820
自分の実子である人食いドラゴンに襲われそうになった人間の「子供達」を守るため、自分の実子(「子供たち」)を食べたから。
パルフはもともと人食いドラゴンでした。
でも、ある嵐の日、傷ついて浜辺に倒れていたパルフのことを、島民は優しく看病し、助けてくれました。
以後、パルフは人を襲うことをやめ、島民たちと仲良く暮らしていました。
ところがある日、凶暴なドラゴンたちが島を襲いに来ました。
島民達は逃げ惑い、パルフがいつも遊んでいる子供達は、恐怖のあまり泣き叫んでいました。
襲ってきたドラゴンを見て、パルフは驚きました。それは、パルフの実の子供たちだったのです。
実の子供を取るか、自分の命の恩人である人間達を取るか。パルフに迷いはありませんでした。
パルフは実の子供たちに牙を剥きました。
既に何百年と生きているパルフにとって、まだ若いドラゴンたちなどは敵でもありませんでした。
ですが、ドラゴンは無限の命を持っているので、普通に殺すことはできません。
その体を全部、食べてしまうしかないのです。パルフは、実の子供たちを食べ尽くしました。
島民達は、ただ黙ってその姿を見ているしかありませんでした。
翌朝、島にパルフの姿はありませんでした。
自分たちを守るためとは言え、同族に牙を向け、貪った禍々しいドラゴンの姿を、島民は決して忘れないでしょう。
ましてや、島の子供達にとってはその光景がどれだけのショックだったことか。
けれども、どれだけ自分を責めようと、永遠の命を持つドラゴンは、自分の命を断つことすらかなわないのです。
パルフは、一人洞窟に引きこもり、二度と人前に姿を見せることはありませんでした。
Inspired by the lyrics “Puff the Magic Dragon”