アビシニアンに鰹節

朝、新聞を見たアイーダは、今日はおいしい魚が食べられるのではないかと期待した。特に新聞には魚の情報は書かれていなかったというが、どういうことだろうか。

日本に留学経験のあるアイーダは、日本で食べたお寿司が大のお気に入りだ。
しかし、自国ではなかなか美味しいお寿司に巡り合えない。
最近では都市部に「Sushi」を出すお店も増えてきてはいるが、日本の寿司とは程遠い「ハズレ」も多いため、敬遠していた。

しかし、ある日の朝、職場の近くの寿司屋「しろ猫」に日本語の新聞が投函されているのを見た。
そこから、アイーダは、「おそらくこの店は日本人が経営しているか日本人の板前がいる、少なくとも日本人の客が来ている」と判断した。
そして、この店ならおそらくおいしい寿司が食べられるだろう、今晩来てみよう、と思ったのであった。