カズオはとある職場での参謀役だった。
彼が閃いたアイデアは全て大ヒットとなり、職場は世間でそこそこ名が知れるようになった。
引退した今でも、同僚や部下から家族のように慕われている。
そんなカズオに、成功の秘訣をこっそり尋ねてみたところ、
「タンスの上から段ボールが落ちてきたから」だという。
どういうことだろうか?
転載元: 「稼ぎ頭の男」 作者: 生姜蜂蜜漬け (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5704
カズオはマフィア「カメオファミリー」の参謀役だった。
明晰な頭脳で、敵対組織幹部の暗殺を何度も成功させ、組織の発展に貢献していた。
しかし、組織内でボスより人望が高まってきたことを疎まれ、
ボスの手で暗殺されそうになる。
そこでカズオは、自ら頭に荷物が入った段ボールを落とし、
脳に後遺症ができるほどの重傷を負った。
役立たずとなったカズオの処遇について考えたボスは、
彼を慕う部下からの反発を恐れ、隠居させることで手を打った。
「でも、わざわざリスク犯して大怪我しなくても、偽装すれば済ん――」
言いかけた私の口を人差し指で軽く押さえ、カズオは言った。
「知らないほうがいいことが世の中にはたくさんあるんだよ」