目指すは時速5km

現役時代、鍛え上げられた肉体が生み出す圧倒的なスピードでコートを走り回り、輝かしい活躍をしたアスリート、カメオ(33)。

年齢的な理由で引退を決めた直後、インタビューで次の人生の目標を聞かれたカメオは少し間を空けて｢近所の散歩です｣と答えた。

いったいどういう事だろう？

思い返せば、車椅子バスケを始めてもう18年になるのか…。
13歳で交通事故で両足を失くした時は、俺の人生はもう完全に終わったもんだと思ってたし、その頃は毎日が無限に続くような感じがしてたっけ…。
15で車椅子バスケに出会って、その魅力に取り憑かれてからは、本気で1日が48時間にならないか考えた事もあったなぁ（笑）
まさか、プロリーグMVP・全日本代表になった上に結婚して子供もいるなんてのはさすがに予想してなかったけど。

……それでも、もう１度自分の足で歩きたいって気持ちは未だに残ってる。
記者さんは知らないだろうけど、新しく義足も注文してみたんだ。
これから家族に恩返しするなら、こっちの方が色々な所に行けるしな。
だからその質問にはこう答える事にするよ。
インパクトは無いけど許してくれよ？

「近所の散歩です」

【簡易解説】
車椅子バスケ選手だったカメオは、今度は義足で歩くことを目標としたた。