モンスターと人間が共存するとある世界のお話。
シンディタウンの少年少女は、10歳になると、パートナーとなるモンスターを選び、旅立つことになる。
ある日10歳になった悟は、モンスター博士から「この中から一匹だけ選ぶがよい。」と言われ、3匹のモンスターを提示された。
しかし悟はその中からは選ばず、そこらへんにいるネズミを連れて旅立った。
一体どうして?
*Q1 メラさんのリサイクルです。
転載元: 「【旅立ちますか?リサイクル】That boy is a monster」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5665
答:パートナーと言いつつ、モンスターにとってはペットや家畜、実験動物のような存在。同じ境遇のネズミに共感し、一緒に逃亡を図った。
「共存」「共生」耳障りのいい言葉だが、それは、大概の場合フェアなものではなく、その言葉を使う側による恣意的なものだ。賢い悟はわずか10歳にしてそのことを知っていた。モンスター側から見たら共存かもしれないが、人間にとっては「隷属」だ。
10歳になったら旅立つ。しかし、帰ってきた人間は「繁殖」用のごく少数の者たちしかいない。調べたところ、パートナーというのは名ばかり、良くてモンスターのペット、ともすれば奴隷か家畜のような扱いを受け、若くして命を落とすものが大半だとわかった。それどころか、中には実験動物にされたり、モンスターの食糧にされたり、臓器提供に使われたりする者もいるらしい。
そんな中で、ごく少数逃亡し、自由な世界でモンスターの討伐を狙っている人間もいる。悟は、「旅立ち」の前日に、その自由な世界の人間に迎えにきてもらう手筈を整えていた。
悟の「旅立ち」の日は、いよいよ翌日に迫った。ここまで、気配を気取られないよう、ごく普通に振る舞ってきたつもりだ。
「明日の朝までにここから一頭を選ぶといい。みんな頼りになる優しいモンスターじゃよ。」「うわーどれにしようかなあ。みんな強そうでかっこい〜。明日までゆっくり考えますね。」と無邪気に振る舞って見せる悟。
地面に目を落とすと、ふと一匹のネズミに目が止まった。どうやら実験動物の檻から逃げ出したようだ。似たような境遇、心が通じ合った。「…一緒に行くか。」
ネズミをポケットに入れると、悟は、迎えにきたヘリに乗り込み、遠く旅立っていった。
*問題文はモンスター目線で書かれたもの、ということにしてください。