友人であり、登山の師匠であるカメオは、ウミオに言った。
「山は時に非情な選択を迫る。
その時大事なのは3つだ。
まず、何が最善なのかを冷静に“判断”すること。
次に、決めたことを、迷わずためらわず“実行”すること。
最後に、どんなに辛い結果になっても受け入れる“覚悟”をすることだ。」
ウミオに今、選択の時が迫っている。
崖登りの途中で、ウミオは風に煽られバランスを崩した。
手足を引っ掛けようとしても岩場にかすりもしない。宙ぶらりんの状態だ。
腰に繋がれたロープは木に結ばれ、ウミオの命を文字通り繋いでいる。
カメオもまた、文字通りウミオの命運を握っている。
ウミオのロープを、崖の上から半身乗り出したカメオが必死に引っ張っていた。
不安定な姿勢のせいか、カメオの手は震えている。限界が近い。
いずれカメオは力尽き、ロープを手放す。ウミオは落ちる。
だがもし、先に木からロープが千切れたら?
1人の死と2人の死、どちらを選ぶべきか?
ウミオは判断し、実行した。
懐からナイフを取り出しロープにあてがう。
「ウミオ、やめろーー!!」
ロープを切ったのは、カメオが叫ぶのと同時だった。
手を伸ばすカメオの姿が瞬く間に遠ざかり――
ウミオは落ちた。
さて、ウミオが、カメオに足りないと思ったのは何だろうか?
理由も踏まえて答えてほしい。
転載元: 「落ちる」 作者: 生姜蜂蜜漬け (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5645
と言うか、悪天候の中崖登るなってね。
それは反省してます。でもまさか、あんなどデカい竜巻が起こるなんて思わないだろ。
本気でびっくりしたよ。何この風って思ったら宙に浮いてたし。
ロープなかったら絶対吸い込まれてたね。
で、上見上げたら、カメオが鼻水垂らしてロープにしがみついてた。
笑いそうになったけど、そのままじゃ俺までお陀仏じゃん。
だから切った。迷うなためらうな、ってあいつも言ってたしな。
でもカメオのやつ、「やめろー!!」って怖い顔してさ。
どんな結果でも受け入れろとか言ってたくせに。
あいつ覚悟足りないよな。
あと俺、あの事故以来達観してるって言われるけど、元からだから。サイコパスなの。