私は両親が大嫌い。
だって2人とも飲んだくれだもの!!
飲んだ後は大暴れ、だらしない。
もう嫌!!お酒に弄ばれる人生は!
・・・数年後。酒浸りだった両親を感謝した私。
一体、何故?
*Q22 タカシンさんのリサイクルです。
転載元: 「【酒ますか?リサイクル】Something 'bout lonely nights 」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5558
「いつも思うけどお前の両親って固いよな。」
「まあね。酒造業のくせに、自分たちは酒飲まないのよね。酔っ払ってたら酒の味わかんないとか言ってさ。私が飲んだくれてるとすぐぐちゃぐちゃ言う。だーいっ嫌い。」
「よし。じゃあ今日もみんなを呼んで馬鹿騒ぎするか。」
「さんせーい」
私とカメオは飲み仲間として知り合い、結婚した。私たち二人は飲んだくれだ。うちの両親は家業の酒造りに心血を注ぐ、言うなれば「酒浸り」の人生だ。ただ家庭のことはほとんど顧みず、私はいつも寂しい思いをしていた。そのせいか、気づいた時には夜遊び三昧。毎晩飲んでは大騒ぎ、大暴れ。別の意味で「酒浸り」になってしまったわけだ。酒なんかに弄ばれたくない、って反省するのも束の間、また次の晩には飲んでしまう。
そんなある日、父が入院し、母もその付き添いをしなきゃいけないからだいぶ仕事の人手が足りなくなる、ということで、急遽家に戻って家業の手伝いをすることになった。醸造から販売、会計に至るまで、ほぼ全部二人で回していたのか。こんなに大変だったのか。これは酒なんて飲んでいたらやってられないな。私も、酒を飲まず、なんとか必死で母を手伝った。私たちが毎晩飲んではしゃいでいる酒も、こうやって誰かの努力で成り立っているのか。と思うと、両親に感謝したい気持ちになった。これからは少し酒を控えて、真面目な生活を送ってみよう、かな。