キャンディーをもらえたり、子守歌を歌ってもらったことを理由に、町内会の青年団長に強く抗議する小さな女の子。
いったいどういう状況だろう。
転載元: 「青年団長の罪」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5511
大泣きをしながら青年団長に向かっていき、叩いてくる女の子は叫ぶ。
「お姉ちゃんは悪い子じゃない!」
田舎の町内のこととて、青年団長は知っていた。女の子の姉がしばらく入院していたということを。
そして、昨夜容体が急変して亡くなってしまったということを。
容体が急変したのは、女の子の家を青年団長が訪問してすぐだったという。
――鬼面をつけ、出刃を振り回し「悪ぁるい子いねがぁ!」と叫んで家々を回る、なまはげとなって訪問して、すぐ。
(違う、お姉ちゃんが亡くなったのはなまはげのせいでも、お姉ちゃんが悪い子だったからでもないよ)
そう言ってなんになるだろう。
「お姉ちゃんは悪い子じゃないの!
一つしかないキャンディーもくれたの!
歌も歌ってくれたの!
どうして死なせちゃったの!」
青年団長はただ、大泣きした女の子が、脇腹と言わず足と言わず、自分を力いっぱい叩くに任せるしかなかった。