俺は、あるご夫妻の接客をしていた。
「10万円とは大きく出たね。果たしてそれに見合う出来かな?」
『ええ、『数十年に一度の奇跡の出来』と言われています。』
そう言いながら、俺はお二人にワインを注いだ。
「——!!なんて美しい赤色なの!?」
「ああ、まるで朝焼けのセーヌの水面みたいだ…」
「見て、葡萄が喜んで踊っているみたい!」
「試しに飲んでみよう!」
_人人人人人人人人人_
> 「「まずい」」 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
お二人は大満足だ。
なぜ?
転載元: 「ここ数年で最高の仕上がり」 作者: 丼 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5358
「これはすごいね、君。」
「ええ、安物のワインをここまで美しく見せるなんて…!」
「私も前からこの工房に注目していたが…確かにこれは別格だ。」
「最高の逸品ね!いただくわ!」
『ありがとうございます。』
俺は、お二方から受け取ったワイングラスを、丁寧にトレイに載せた。
シンディガラス工房の最高傑作は、そこでも薄紅色の煌めきを放っていた。