海亀商店の前にある自動販売機で、毎朝コーラを買っていく男がいる。店主はその男を密かに「コーラの男」と呼んでいた。
ところがある時から、コーラの男はパタリとコーラを買わなくなってしまった。何故?
転載元: 「コーラの男」 作者: KY太郎 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5341
コーラというのは、香料の香りが強かったり、妙に炭酸が薄かったり、薬臭かったり、甘みが強かったり…と、同じ商品でも実は結構な個体差がある。また、缶、ペットボトル、紙カップ、コップに注がれた状態など、飲み方によっても味が違うように感じることがある。
コーラの男はコーラの中でも瓶入りのコーラのことを味が安定していて容器の影響も受けないと思って愛好しており、逆に缶のコーラは外れの個体が多い気がするため苦手としていた。海亀商店の自販機では昨今取り扱いが少なくなった瓶コーラを扱っていたため、コーラの男は毎朝通勤途中にそこでコーラを買うのを習慣にしていた。
しかし、海亀商店では瓶コーラの自販機の老朽化がひどくなってきたため、一般的な缶飲料の自販機に変更することにしたのである。こうして海亀商店の自販機では瓶コーラがなくなり缶コーラしか売らなくなってしまったため、コーラの男は自分が苦手な缶コーラしかない海亀商店の自販機を利用しなくなってしまったのだ。