思い入れのあるキャラ

「カメヤマ」作のライトノベル「魔法学園退学になったので科学大学に飛び入学しました」。

この作品はアニメ化やゲーム化されるなどとても人気であり、特に主人公の相棒キャラである「シライシ アツヒロ」は、その強さと真っ直ぐで情に篤い性格から非常にファンの多いキャラ。
作者のカメヤマ自身も「自分がカッコいいと思う要素を詰め込みました」と公言するほどだった。

ところが、「魔法学園退学になったので科学大学に飛び入学しました」が突然執筆が休止されてしまうことがあった。
その後「魔法学園退学になったので科学大学に飛び入学しました」が再開したのだが、再開された最初の間において、「シライシ アツヒロ」が今まででは考えられない卑怯な性格となって主人公を絶望させた挙句主人公に敗れ死亡するという展開があり、ファンの間でも非難が集まった。

カメヤマは「どうしてもこの展開にせずにはいられなかった。批判は全て受け止めます」とコメントしたが、一体なぜ、カメヤマはこんな展開にしたのだろう？

実は、「シライシ アツヒロ」にはモデルがいた。
それは、カメヤマの小学校時代に親友であった「シライシ マサキ」と「イイジマ アツヒロ」の2人。

カメヤマが高校を出た後上京し、彼らとはその後10年以上連絡を取らなくなってしまったのだが、それでもカメヤマは彼らのことを一番の親友だと思っており、自分のデビュー作である「魔法学園退学になったので科学大学に飛び入学しました」にて、主人公の相棒キャラに2人の苗字と名前から採った名前をつけ、作品内で大活躍させたのだった。

ところが、事態は予想外の方向に進む。
実は、マサキとイイジマはカメヤマの知らないところでカルトの信者やマルチ商法の販売員となっており、カメヤマが売れっ子作家になったことを聞き付けて、勧誘を目的にすり寄ってくるようになってしまったのだ。

「魔法学園退学になったので科学大学に飛び入学しました」の執筆休止は、この際の2人とのトラブルが原因。
そして、執筆再開に当たって、カメヤマは「自分の中で彼らは死んだ」と規定し、2人をモチーフにした「シライシ アツヒロ」を作品内で殺すことで、2人への思いを断ち切ったのである。