カメオは文房具店「水平文具」の店長。
ある日の夜、店を閉めて店内の掃除をしていると、
細かく描き込まれた絵を見つけた。
場所は筆記具売り場、ボールペンコーナー。
試し書き用の用紙に、その絵は描かれていた。
「……どおりで、今日はボールペンが売れねぇわけだ」
試し書きの域を超えたその絵を描くために、売り物であるボールペンのインクをどれほど消費したのだろう。
絵としてはとても素晴らしい。が、試し書きの用紙にここまでの大作を描かれてしまうと、
客に「ここにあるボールペンはインクが減っている」と認識され、商品の売上が落ちてしまう。
もちろん、
著しくインクを消費しているボールペンも、もう商品として出せないので
廃棄するしかない。
カメオは大きくため息をついて、クオリティの高いその絵を破りとった。
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要約解説=====
筆記具売り場の試し書き用紙に対して、単調な線しか書かれていない場合は、ほとんどの客はインクの減りをそこまで意識しない。
しかし細かく描き込まれた絵があると、試し書きに使われたボールペンのインクが減っていることが容易に予想でき、買うのを躊躇う客が増えるから。(または、そもそもインクの減ったボールペンを廃棄せざるを得ないから)
FA条件
以下に着目して、「客がペンを買いたくなくなる」または「ペンが売り物にならなくなる」に触れること。
・「絵」がペンの試し書き用紙に描かれたものであること
・「緻密な絵」を描くと売り物であるペンのインクが減ってしまうこと
※出題者のさじ加減で条件が少し緩かったりする場合もあります。