「お客さん、とっておきの怪談話があるんですがねぇ…」
タクシーの運転手がそう語りかけるので、乗客の女はニヤリと笑って先を促した。
帰宅するまでまだまだ先は長い。時間潰しには悪くない。
「いいですか?…あれは、確か3年ほど前、シトシトと雨の降る9月の頃でした…」
それは運転手の鉄板ネタなのだろうか。淀みなく流暢に語る様に、女は自然と引き込まれた。
とはいえ、女も怪談話には慣れている。別に自分が心底怖がることはなかろうと、高を括っていた。
しかし数十分後、女は徐々に恐怖を感じるようになり、このままではまずいと冷や汗を流し始める事になる。
一体なぜ?
転載元: 「深夜タクシーと濡れ女」 作者: アシカ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4830
「そこで私はこういってやったんでさぁ!!あんた、まさか死人じゃねぇのかぁってなぁ!!!」
「危ない!!!わかったから!!!前!!!前見て!!!」
運転手が怪談に熱を入れすぎて、運転への集中力が途切れて事故りそうになったから。