ある金持ちの男は現金を一切持ち歩かず、いつもクレジットカードに頼っていた。
その日も男は現金を持っていなかったのでクレジットカードを渡したのだが、男は酷く後悔した。
いったい何故?
転載元: 「マネーの虎」 作者: アルミニウム (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4753
男はずる賢い商売で大金を稼いでいた。
金こそ大量に持っているものの、彼は誰からも信頼されないでいた。
そしてある日、誰からも悔やまれることなく彼は死んだ。
船頭「渡し賃、300円」
目の前には大きな河。男はそれが三途の川だとすぐに気付いた。
男は目の前の船頭に渡し賃を払おうとするが、いつも通り現金を持っていない。
仕方がないので男は船頭にクレジットカードを渡した。船頭は黙ってそれを受け取り、男を船に乗せた。
船が中域まで進んだところで船頭は口を開いた。
船頭「ところでさぁ、あんたの世界ではこの紙切れみたいなのを 『信頼』 と呼んでいるんだろ? いくらするんだい?」
男「10億ほど、ですかね」
船頭「ふぅん、これがねぇ」
船頭は物珍しげにクレジットカードを眺めていたが、やがてそれを川の中に捨ててしまった。
男「あっ、なんてことを…」
男は捨てられたクレジットカードを追って、船から身を乗り出す。
すると船頭は男の尻を思いっきり蹴り飛ばした。
船頭「…あんなもの、1文にもなりゃしないよ」
男は三途の川に溺れゆく中で、『もっと人に親切にすれば良かった』と永遠に後悔し続けることになった。
悪事により人から信頼を得られなかった男は死後に無一文になり、三途の川を渡ることができなかったから