私はカメコ。男子禁制のオカルトサークルに所属しているわ。
今回、夏休みにサークルメンバーと合宿に行くことになったの。
行先は、孤島の別荘。
島に着いて別荘に到着したわ。・・・うわ!別荘から何とも言い難い禍々しさを感じるわ。
これで嵐や台風にでも襲われたら、推理小説なんかの設定にあるクローズドサークルになっちゃうわね。
他の皆も思い思い別荘を見つめているみたい。ふと私は別荘の2階を眺めたの。
・・・!!私はそこへ指を指し、「キャー!!あそこ!あそこに何か見えるわ!」思わず叫んだの!
でもね、つい先日訪れた廃墟では私がそう叫んだ瞬間、彼女たちは私を爆笑してたのに
今回は皆、青ざめていたの。一体、どうしてかしら?
(No.10 タカシンさんのリサイクルです。)
転載元: 「【夏休みますか?リサイクル】Strange Déjà Vu」 作者: ZENO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4695
廃墟探検で死んだはずのカメコの声が聞こえたから。
「ねえ、今、カメコの声がしなかった・・・?」
「うん、聞こえたよね・・・。『キャー!!あそこ!あそこに何か見えるわ!』って。」
「あの時と、同じ声・・・。」
そうだ、カメコはあの廃墟探検の時に同じセリフを叫んだんだ。でもそこには何もいなかった。いや、本当は「いた」んだ。でも私たちには何も見えなかった。だから私たちは彼女を臆病者だと思い込み、みんなで笑い者にしてしまった。そして彼女の忠告を無視して廃墟探検を始めてしまったんだ。
果たしてその廃墟は悪霊の棲家だった。実は数年前にその廃墟(廃工場)で殺人事件が発生して、それ以来、悪霊達を呼び寄せる霊的な磁場が発生していたらしい。そして皮肉なことに、最初に悪霊の存在に気付いたカメコだけが悪霊に取り憑かれて無残な転落死を遂げてしまったんだ。
カメコは幼い頃に両親を亡くしていた。だから、私たちはカメコの親戚に連絡を取って事の顛末を謝罪しようとしたんだ。するとその親戚の人は「お話は日を改めてお聞きします。せっかくだから皆さんで私どもの別荘に遊びにいらっしゃいな。」と言うんだ。だから私たちは合宿という名目でこの孤島の別荘に来ることになったんだけれど・・・。
「ねえ、どういうこと?どうしてカメコの声が聞こえるの?それにこの別荘、なんだか気味が悪いわ・・・。」
「そりゃあたしたち、カメコのことで負い目はあるけどさ、見ず知らずの親戚の別荘に呼ばれるって、普通におかしいよ。つーか親戚なんて本当にいたのかよ。」
「私、なんか怖い・・・。ねえ、もう帰らない?」
その時、別荘の扉が開き、中から再びカメコの声が聞こえてきた。
「さあ、早くお入りなさい。親戚のみんなも待ちわびてるわ。楽しいパーティを始めましょう。」
私はカメコ。男子禁制のオカルトサークルに所属しているわ。廃墟探検の時に死んじゃったけどね。
今回、夏休みにサークルメンバーと合宿に行くことになったの。悪霊だからみんなには見えてないけど。
行先は、孤島の別荘。そこは私の親戚一同の棲家。
島に着いて別荘に到着したわ。・・・うわ!別荘から何とも言い難い禍々しさを感じるわ。親戚のみんな、久しぶりの獲物を目の前にしてやる気満々ね。
これで嵐や台風にでも襲われたら、推理小説なんかの設定にあるクローズドサークルになっちゃうわね。でも悪霊が犯人なんて言ったらアンフェアって叩かれちゃうかしら。非推奨問題例行き?あはは!
他の皆も思い思い別荘を見つめているみたい。ふと私は別荘の2階を眺めたの。
・・・!!あ、ひょっとして、子供の頃憧れてた、親戚のウミオお兄ちゃんじゃない!?久しぶり!!私はそこへ指を指し、「キャー!!あそこ!あそこに何か見えるわ!」思わず叫んだの!あ、うっかり声出しちゃった。でも、そろそろ始めてもいいよね。私、もう待ちきれないんだもん。彼女たちが私を笑い者にした、あの時と同じセリフってのも偶然だけど面白いね。私の口癖なのかしら。
でもね、つい先日訪れた廃墟では私がそう叫んだ瞬間、彼女たちは私を爆笑してたのに今回は皆、青ざめていたの。うふふ、一体、どうしてかしら?私の声に驚いた?それとも、今さらになって私の忠告を無視したことを後悔しているのかしら・・・?
私は別荘の扉を開き、彼女らにこう告げた。
「さあ、早くお入りなさい。親戚のみんなも待ちわびてるわ。楽しいパーティを始めましょう。」