隣同士に並んで腰を下ろす、カメコとシン太郎。
周囲には誰もおらず、二人きりだ。
ふと遠くの方を見ると、砂浜に波が打ち付けているのが見える。
二人は一言も言葉を交わすこともなく沈黙が続くが、それに気不味いと思うこともない間柄。
そんな中、もうすぐ両親と会うことになっていたシン太郎は、彼らにカメコのことを恋人として紹介する日は来ないだろうと確信していた。
カメコとシン太郎は血が繋がっているわけでもないのだが、何故シン太郎はそう確信したのだろう。
転載元: 「君の手に届く距離」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4571
見ず知らずのカメコとシン太郎が隣同士に座ったのは、実家に帰省するために乗った海沿いを走る特急列車が指定席だったから。