恐怖の人喰い蝉が出た──。
そんな噂を聞いて多くの人が虫取り網を片付けたのに対し、シン太郎だけは虫取り網を持って森の中に消えて行った。
いったい何故?
※No.7:エルナトさんの問題文です。
転載元: 「【肝試しますか?リサイクル】やらないで後悔するより」 作者: 「マクガフィン」 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4532
A. 虫を捕るために1人だけ森の奥深くに来ていたシン太郎が、急いで家に帰ろうとしたから。
ピロリン
メッセージの着信音が響く。
「おい、聞いたか?森で恐怖の人喰い蝉が出たんだってよ!」
クラスメートから成るグループでその噂が流れると、みな口々にその恐ろしさを話した。
「5メートルくらいあるらしいぜ!」
「隣の兄ちゃんも襲われたって!」
近くの林で虫捕りをしていた子供たちは、それを聞くやいなや大急ぎで家に帰って虫捕り網を片付けた。
そんな中、シン太郎は……
「え、嘘でしょ…」
スマートフォンをポケットにしまい、ふと左手の虫捕り網を一瞥した。
このタイミングでそんなこと言われても…
だってここ、森の反対側だよ?
みんなを驚かせてやろうとたった1人で森の奥深くまで虫捕りに来てしまったことを、今更ながら後悔する。
でもここにだって人喰い蝉は来るかもしれないし、1人の時に襲われたら助からないのは同じだ。森を避けて遠回りしようにも距離がありすぎる。
ならばできるだけ早く家に帰るしか…
「怖いけど、森の中を帰るしかない…」
虫捕り網を、重さを確かめるように一度強く握りしめると、シン太郎は森の中へと消えて行った。