昨日東京全域に降った雪は、限りなくロマンチックである。男は一人、そんな街を見ながら久しぶりの外出から帰路に着く。
摩天楼の一角、イルミネーションとクリスマスツリーは相当素晴らしい景色であった。彼の顔から笑みが溢れる。
さて、彼の今日のコーディネートは黒のコート、小豆色のニット、そして明るいベージュのズボンだ。
今彼が履くこのズボン、左膝より下の色が他の部分より濃く見え、ぶっちゃけダサいのだが、彼はこれがかっこいいのだと誇らしげなのである。
いったいどういうことか。
転載元: 「冬至」 作者: Duffy (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4322
何度落ち着こうとしても、落ち着くことなどできない。
今日という今日に伝えるとは決めていた。ホワイトクリスマス。絶好のプロポーズ日和じゃないか。ユウトはいままで付き合ってきたユイカを連れ、イルミネーションを見に向かったのである。
「僕と結婚してください。」クリスマスツリーの前で彼はプロポーズをした。その時片膝を雪の上についたのは、彼の決死の心情表現である。
不自然に濡れたズボンは不格好に見えるが、彼にとっては勇者の証である。
【解答】跪いてプロポーズをした証であるから。