鳶山(とびやま)家の長男として生まれたタカオは、生まれてすぐに両親が離婚し父親であるトビオの元に引き取られた。
しかし、トビオはまもなくしてラテコと再婚したため彼女を本当の母親だと思っており、二人もそのことを隠してたった一人の子供であるタカオを大切に育ててきた。
しかしそんなある日、生死不明の人物がいたためにタカオは両親が離婚したことに気づいてしまったという。
どういうことだろう。
転載元: 「二鷹」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/423
***要約***
それまで両親が再婚などと思いもしなかったタカオは自分には姉・タカミがいたことを知り、死に別れたのだと思い父のトビオに尋ねたが、父は「タカミが今生きているかは分からない」と答えたことで、生きたまま会えなくなった、つまり離婚して実の母親の元に引き取られたと悟った。
***小話***
タカオにはタカミという名の姉がいたが、生まれてすぐに離婚した実の母親・カメコに引き取られたため、タカオはその事実を知らなかった。
タカオが高校生になったある日、トビオの仕事の都合で引っ越すことになった鳶山家。
3人で荷物をまとめていると、タカオは押入れの奥から子供用のおもちゃがたくさん入ったダンボールの箱を見つけた。
「うわ、懐かしい、よく遊んでたおもちゃだ! ん・・・?」
するとその中に、ひとつだけ見覚えのない、明らかに女の子向けの、しかも「タカミ」と名前の書かれたおもちゃを見つけた。
「タカミ・・・?ひょっとして僕にはお姉さんか妹がいたの?」
思わず口をつぐむ父親のトビオ。
否定しないこと、それは即ち肯定を意味していた。
そのタカミという人物が今この家にいないということは……まさか両親が離婚していたなどと思いもしなかったタカオは、死に別れたのだと考えた。
「今この家にいないのは、僕が物心付く前に死んでしまったから?」
「いや・・・・・・死んでいるかどうかは分からないが、おそらく元気だと信じているよ」
トビオがそう答えたため、トビオとタカミは離ればなれになり長いこと会っていない、即ち離婚した母親に引き取られたのだと気付いてしまったのだ。
「タカオ、ごめんね・・・騙すようなつもりじゃなかったんだけど、なかなか言い出せなくて・・・」
ラテコは、自分が本当の母親でないと知られたことで、タカオに嫌われるのではないかと心配になりそう謝った。
しかし、タカオはそんなラテコに対し笑顔で答えた。
「何言ってるんだよ。誰がなんて言おうが、母さんは、母さんだよ」
3人は、今も仲良く暮らしている。