以下のScene1〜3までの文章を読み、Challenge に記されている質問に答えよ。
(長文となるため、行番号を振ってあります。)
※4/11(土) 22:00 出題終了予定です。
※SPはZENOさんです。 ZENOさん、本当にありがとうございましたm(__)m
[1] 私、カメオは友人のウミオを誘い、街外れの廃工場を訪れた。
[2] 聞くところでは、その廃工場は昔発生した大事故の後何十年も放置されており、今では滅多に人も近付かないそうだ。
ザワ…ザワ………
[3]「ウミオ、あの廃工場、今夜行ってみないか?」そう私は彼に持ちかけた。危険な遊びが大好きな彼は一も二もなく賛成したのだった。
[4] 私が廃工場の前に到着したとき、彼は既に待ち合わせ場所である入口の前に立っていた。
シーン………
[5]「よう、遅かったじゃねえか、早く行こうぜ!」
[6]待ち合わせ場所についた私を急かした彼は、軍手まで付けてやる気満々の様子だ。
ギ…ギィ…………
[7]私たちは早速、廃工場の中に足を踏み入れた。
[8]日常を離れた冒険を前にして、私は期待や背徳感に胸を高鳴らせていた。
[9] 私はウミオとともに、暗い廃工場の中を進んでいった。数分後振り返ると、そこには誰もいない。
[10]物珍しい光景に夢中になりすぎただろうか、いつの間にか私はひとりきりになっていたようだ。
ドクン……ドクン……
[11]私はひとり、緊張に高なる心臓の鼓動を感じていた。
[12]さっきまで一緒にいた彼を探して彷徨ううち、私はポッカリと空いた穴を見つけた。
ザァァァァァァ……
[13]目の前の穴は相当深く、落ちたら無事では済まないだろう。
[14]まさか・・・、と不吉な予感を感じる。私は穴の底を覗きこんだ。
ザァァァァァァ……
[15]…………。
[16]……………!!! お、おい、嘘だろ!?………
[17] 深い穴の底にいたのは、血に汚れた軍手を右手に握り、ピクリとも動かないウミオの姿だった。
[18]…………。
タッタッタッタッ……
[19]この高さでは成す術も無い。途端に深い絶望と恐怖を覚えた私は、一目散に廃工場から逃げ出した。
[20]…………。
ドクン…ドクン…
[21] その日の夜はよく眠れなかった。あの光景を見てしまったからだ。あれが見つかったら…私は…どうなってしまうんだ…?
[22] 深夜、暗闇の中でぼんやりと目覚めた私は、無意識の内に青白い手を祈るように握り締めていた。「この悪夢が醒めてくれますように…。」そう呟き、私はまた目を閉じた。
_____翌朝_____
「………臨時ニュースです。海亀市郊外の廃工場で、同市在住の兎山ウミオさんが遺体となって発見されました。………」
[23] ウミオが発見されたというニュースが流れる。朝になっても私の後悔は消えない。せめて、廃工場の探索中に???? を傷つけていなければ、事なきを得たかもしれないのに…。
カメオの最後の台詞[23]における、????は何か。
出来事の経緯を踏まえ、理由も含めて答えよ。誤った解釈、理由、また理由なしでの回答は誤答とする。
転載元: 「:某廃工場ノ探索記録:」 作者: Duffy (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/4174
提示した文章は、とある廃工場探索の経緯を描写したものだが、一つとある特徴がある。それは、
「カメオ、ウミオ双方が一場面を描写している」点である。
二行ごとに場面が変わっており、また「奇数行はカメオ」の、「偶数行はウミオ」の視点で同一の場面を描写しており、これらが同時性を持った文章であることが分かるだろう。
それを踏まえ、もう一度文章を読んでみよう。
もうお分かりだろう。
ウミオはカメオに殺されたのである。
私には友人がいる。憎き友人が。
ウミオのことだ。あいつは、私の彼女を我が物顔で奪っていった。彼は隠しているつもりだが、私の目は誤魔化せない。必ず復讐してやる。そう思い私は計画を立てた。
早速私はウミオを誘い、廃工場の探索に行くことにした。「よう、遅かったじゃねえか!早く行こうぜ!」指紋を残さないように軍手をしっかりはめ、私は彼を急かした。
殺人の時間は刻々と近づく。現場に着くと、わざと私は彼と距離を取り、殺害の好機を狙った。
ここには大きな穴があることを予め調べてある。落ちたらただではすまないだろう。そして、好奇心旺盛なウミオは、必ず穴を覗くだろう。その時を狙い……今だ。
彼を押した瞬間、彼は焦った様子で私を掴んだ。それと同時に、彼は落ちていった。
死んだ彼を照らすとそこには、倒れたウミオと……そして血に染まった私の軍手があった。
彼の手は綺麗だ。それなら…!私の手を見ると、何処かで怪我をしたのか、血が流れていた。
急に怖くなり、逃げ出した。完全犯罪だったはずなのに、どうして…!
せめて探索中に、手を傷つけていなければ、事なきを得たかもしれないのに……。
あいつ、カメオはいきなり私を廃工場探索に誘ってきた。実は、私はあいつの彼女とこっそり付き合っている。このまま隠したままなのも辛いが、切り出すわけにも行かず隠したままだ。普段通りに接してくれる彼に安心した私は、二つ返事で承諾した。
着いたとき私を急かしたカメオは、軍手までつけてワクワクそうにしていた。
暗い工場。一緒に歩いていると、いつの間にかカメオと逸れてしまった。
カメオを探して数分。目の前に大きな穴があることに気づき、私は足を止める。まさかカメオは、この深い穴の中に落ちてしまったのではないか…?。奥に何があるのか、私が覗くと…
ドンッ
背中に衝撃が走り、私は思わず後ろを向いた。そこにいたのは…死んだ顔のカメオだった。すがる思いで彼の腕を掴む。しかし…彼の右手に付いていた軍手だけが外れて、私は深い穴の底へと落ちていった。
叩きつけられ、意識を失った私は、深夜にふと目覚めた。体が動かず、やけに眠い。私はこのまま死んでしまうだろう。しかし……あいつだけは見つけて、逮捕して貰わなければならない。この軍手に付いた血はきっと彼のものだ。これが証拠となれば…!私はこの軍手をしっかりと握り、永遠の眠りについた。
【解答】
手。ウミオはカメオに突き落とされ殺害された。カメオの血が軍手に付いたことで、カメオがウミオを殺害した証拠となってしまうから。
※出題終了後、メモ欄においてSP部屋を公開させていただきます。