GREET PILOTS

カメオは、毎日カメコの家で夜を明かすことを日課としている。カメオとカメコはとても円満なカップルで、お互いが大好きであった。
しかし、パイロットになったカメオは、初フライトを終えて以降、愛しすぎるが故にこの行為でカメコを困らせるようになった。

ある日、いつものようにカメコの家に向かったカメオは、家のドアが開いた途端泣き崩れた。何故か。

私は亀夫と申します。愛する亀子の家に向かひ、二人で伸び伸びとした時間を過ごす事が昔の壱番の愉しみだつたのであります。
戦の最中、私は或る日、特攻隊といふものに選出されました。御国の為に自らを犠牲にするのです。
敵地に突撃し、亡き者となった私。しかし、なぜ亀子への愛は無くなるといふのでしやう。私は所謂幽霊-その時は気づいてゐなかったのですが-と為り彼女の家に毎晩むかひました。彼女は余り出てくれませんでしたが、時には扉を開けてくれました。
つい昨日のことです。私がいつものように扉を叩いた時です。扉が開かれた先に居たのは、中年の男でありました。私は彼女が伝えもせずに引っ越した事を知り、泣き崩れたのであります。
もう会えませぬ。否、私は諦めません。貴方を探し出して見せましやう。いつか。いつか。

『解答、特攻隊になったカメオは戦死。幽霊となってもポルターガイストとなりカメコの家に訪れる事となるが、鬱陶しがられたカメコに引っ越されたため。』

【poltergeist ⇄greet pilots】