魔女によって野獣の姿に変えられてしまった王子は、バラの花弁が散るまでに、人を愛し人に愛されるという「真実の愛」を見つけなければ、人間に戻ることは出来なかった。
さて、彼は最終的に野獣の姿から解放されるわけだが、それは村娘ベルが彼のことをとても嫌っていたからだという。どういうことか。
Q11 Duffyさんのリサイクルです。
転載元: 「【童話ますか?リサイクル】プラトニック・ラブ」 作者: アシカ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3884
【真相】
魔女と村娘は同性愛者であった。魔女は自らの危険を顧みず、王子に呪いをかけることで娘を救った。王子は二人の間に「真実の愛」があることを認めた。
【解説】
村娘のベルは、自分を娶ろうとする王子をとても嫌っていた。
しかし、誰も王国を恐れて彼女を守ろうとはしなかった。
唯一、森の奥深くに住む魔女だけが、彼女を救おうとして、王子を野獣の姿に変えてしまった。このことがバレてしまったら、魔女は真っ先に処刑されてしまうだろう。にもかかわらず、彼女は危険を顧みずにベルを助けてしまった。
なぜなら、魔女はベルを愛していたからだ。
王子に言い寄られ、追い詰められていたベルを見つけた魔女は、忌まわしき変化の呪いを王子に放った。王子は無力な醜い野獣へと姿を変えた。困惑したベルは、魔女に問うた。なぜ、私を助けたの。放っておいて、私のことなんて誰も気にしないわ。
それは違う。と、魔女は声を震わせつつ、力強く言い切った。世界の全てが君を否定しても、私だけは、其方の側にいる。涙で潤んだ瞳の奥に、ベルはその理由を察した。かつてないほどの胸の高鳴りに、ベルは当惑した。そっと目を閉じた両者は、互いを慈しむように、優しく口づけを交わした。
一部始終を、野獣は目撃していた。そして悟った。これが、これこそが「真実の愛」なのだと。途端、王子は人間の姿に戻った。しかし彼は、これ以上己が望みを貫き通すことを、よしとしなかった。「真実の愛」の前には、権力も暴力も無意味であると理解したからである。王子は踵を返し、静かにその場を立ち去った。彼もまた、バラの花弁が似合う一人の紳士であった。
そして、村娘と魔女は新天地を求めて旅立ち、生涯幸せに添い遂げたのだった。めでたしめでたし。