海田直樹(35)は数年ぶりに友人・水野平太(34)と再会を果たした。
始め、水野はあまり会話をしなかったが、2人がよく行っていたラーメン屋に行くと、昔を懐かしむように会話も弾んできた。
そして、食事が終わり水野と別れた後、海田はこう考えた。
(水野はこれから、電車をたくさん使うことになるだろう。)
一体なぜ?
転載元: 「思い出の一杯」 作者: Aspil (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3881
海田の友人である水野は運転手の仕事をしていたのだが、数年前、運転の疲れからか人を轢いてしまい、過失運転致死傷罪で逮捕されてしまった。
そんな水野がいよいよ刑務所を出るというので、迎えに行くことにした。
刑務所から出てきた水野は、まるで別人のようであった。体は痩せこけ、目が死んでいた。
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「よし、今日はお祝いだ!俺の奢りだから好きなだけ食えよ!」
大好きだったラーメン屋に連れていくと、水野も少しずつ元気を取り戻していった。聞くところによると、体重はこの数年で半分になったそうだ。
あの様子じゃ恐らくもう車には乗れないだろうな…。
無理もない。故意ではないとはいえ、水野が人殺しであることには変わりない。あの日の出来事を毎日のように思い出しては苛まれていたのだろう。そして、これからも死ぬまで忘れることはないのだろう。
それならいい、それだけ自分の罪を重く受け止め、反省しているということなのだから。
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【要約解説】
過失運転致死傷罪の刑期を終えた水野がひどくやつれていて相当なストレスを抱えて生活したいたことを察し、この様子じゃもう運転なんて出来ないだろうと思ったから。