悪戯をすることが大好きだった。あの日も軽い気持ちで人間が捕まえた鰻を逃がして、怒る人間を眺めて楽しんでいた。
その数日後、鰻を逃がされて怒っていた人間が母親の葬儀を開いていた。
(あの鰻は母親に食べさせるためのものだったんだ)
そのことに気付くと、強い後悔に襲われた。償いとして自分になにが出来るか考え、とても臭いだけでなんの役にも立たない草を毎日届けることにした。
一体何故?
※No.4:少女Xさんの問題文のリサイクルです。
転載元: 「【童話ますか?リサイクル】栗や松茸がなかったから」 作者: アメミヤ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3868
人間に、自分を撃ち殺すことへの罪悪感を抱かせないため。
償いとして人間にあげられる有益な物なんて、キツネは何一つ持っていません。
だから自らの死で償おうと考えました。
キツネは「人間は優しいから、もしかしたら自分を殺すことに罪悪感を抱くかもしれない」と考えたので、「嫌がらせくらいにしか使えそうもない草」を持っていくことに決めました。
そうしたら、自分を撃ち殺した人間はその草を見て「やっぱり、コイツはまた嫌がらせをしようとしていたんだな。殺されて当然だ。」と罪悪感を抱かずにすむだろうから。