田舎の公立校に通う高校生・水野平太(18)が悔し涙を流したのは、垂田直樹(19)がちょうど1年前に大怪我をしたからだという。
水野と垂田は知り合いではないのだが、なぜだろう?
転載元: 「君に輝け」 作者: Aspil (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3853
【要約解説】
高校球児の水野平太は県予選の初戦から準決勝までを1人で投げ抜いた結果、肩に痛みを生じてしまった。監督は昨年水野と似たような境遇の高校球児・垂田直樹が大怪我をしてしまった前例を踏まえ、水野を決勝に出さないことを決めた。その結果、水野は悔し涙を流した。
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海亀高校野球部のエースで4番・水野平太。
3年夏の時点で投げては最速150km/h、打っては高校通算48本塁打と大活躍。海亀高校は田舎の公立校で決して強豪校とは言えないが、今年のドラフトの目玉となること間違いなしと思われていた。
そして迎えた水野の最後の夏の大会。海亀高校は水野の大活躍で県予選の決勝まで勝ち上がった。だが、水野がここまで全試合を完投してきた代償は大きく、決勝戦の前日に肩が痛みだしたのである。
監督は非常に悩んだ末、明日の決勝戦に水野を登板させないことを決めた。それは去年、水野と似たような境遇にあった垂田直樹という高校球児がいたからである。
垂田もまた田舎の公立校の選手で、ドラフトで指名されること間違いなしと言われていたのだが、怪我を隠しつつ試合に出ていたことが響き、選手生命に関わる大怪我をしてしまったのであった。
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監督「水野。お前出たいだろうが、明日は試合には出さん。お前は将来間違いなく日本球界を背負っていく選手になる。そのお前をここで潰すわけにはいかない。どうか、仲間を信じてやってくれないか。」
1度きりの高校野球生活、当然出たくないわけがない。
しかし水野は分かっていた。ここで無理して試合に出て勝ったとしても、甲子園で思うようなプレーは出来なくなってしまう。それどころか、一生野球が出来ない体になってしまう可能性もあることを。
水野「…はい、分かりました。」
水野の目から涙がこぼれ落ちた。