「私とカメオさんは,同じ会社に勤めています.
私たちは会社の廊下でほぼ毎朝すれ違うのですが,
カメオさんは終始うつむいたままで,会話は全くありませんでした.
でもある朝,私からカメオさんに声をかけたんです.」
「この時もカメオさんは,私に返事どころか見向きもしませんでした.
これが二人の恋のきっかけです.」
カメオが恥ずかしそうに見守るなか、二人のなれ初めを語るカメコ ——
—— それはそうと,二人のまわりをさっきから赤い光がぐるぐる回っているのはなぜだろう?
転載元: 「寝不足のキューピッド」 作者: 丼 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3850
【解説】
カメオとウミコの結婚披露宴にて.
ウミコの親友であるカメコは,スライドを示しながら二人の出会いのエピソードを話していた.
手には赤色光のレーザーポインターが握られている.
「……というわけで,これが新郎新婦お二人のなれ初めです.」
そう言いながら,ポインターでスライドの『二人』の文字をぐるぐると囲むカメコ.
壇上に座るカメオとウミコは,顔を真っ赤にしてそれを見つめていた.
【解説の補足】
運命の日の朝.
カメコは.同期でメガネのウミコと並んで会社の廊下を歩いていた.
ウミコがカメコの方を向いておしゃべりに夢中だったところに,反対側からカメオがいつも通りスマホをいじりながらスタスタと近づいてきた.「…あっ!」
このままではウミコとカメオが正面衝突してしまう.
カメコは真っ先にこの状況に気づいた.「カメオさん!前!」
カメコはとっさにカメオに向かって叫んだ.
ウミコはハッとして振り向く.カメオも驚いて顔を上げたが….どっしーーん!
同時に宙を舞う,カメオのスマホとウミコのメガネ.
廊下に倒れこんだ二人は,起き上がると相手の顔をまじまじと見た.
(あれ,いつもは丼の底みたいなメガネかけてるけど,素顔は可愛いじゃん…)
(えっ,いつもは下向きだから気づかなかったけど,何て立派なケツアゴ…)
二人は顔を赤らめ,カメコそっちのけで互いにしばらく見つめあっていた.