超絶怪力少女の滅美(めつみ)ちゃん。
見た目の可愛さとは裏腹に、軽く殴るだけで熊を一撃KOし、大木をなぎ倒し、超脚力で音速で移動し、鍛え抜かれすぎた肉体には銃弾はおろか砲弾なども全く歯が立たない。
今日も、その鍛え抜かれた身体と力で、この世にはびこる悪党共を蹴散らしていく。
ある日、滅美ちゃんはいつものようにテロリストのアジトに単身・生身で乗り込み、武装した兵士たちを次々に倒していった。
追い詰められたテロリストのリーダーは命乞いをしたが、悪人が嫌いな滅美ちゃんは、リーダーも当然殺してやりたいと思った。
しかし滅美ちゃんは、リーダーを殺すことはなかった。
いったいなぜか?
転載元: 「怪力少女 滅美ちゃん」 作者: 灰色ヤタガラス (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/376
滅美ちゃんは、悪が許せず、悪を殲滅するべく体を鍛えまくっているが、悪人を殺すことには躊躇していた。
たとえ相手が悪人でも、人を殺すことは最大の悪ではないか、と考えていたからだ。
捕らえたあと、最終的に相手は死刑に処されるかもしれないが、それは自分にはどうにも出来ない。少なくとも、自分の手で殺したくはなかった。
なので兵士たちも、圧倒的な力で全員戦闘不能にしたが、誰一人殺してはおらず、リーダーも、本当は殺したいけど、殺さずに捕らえることは最初から決めていた。
滅美ちゃんは、リーダーも戦闘不能な程度に痛めつけ、そのままアジトから引きずり出し、知り合いの警察に突き出した。
そうして、リーダーにかけられていた懸賞金を受け取った。
この懸賞金が、滅美ちゃんの日々の生活費だ。
相手の悪人は、デッドオアアライブ(生死問わず)の凶悪犯ばかりなので、たとえ殺して警察に突き出しても懸賞金は同じようにもらえるのだが、滅美ちゃんは今まで、一人の凶悪犯も殺すことなく捕らえ、懸賞金を受け取ってきた。
今日も、滅美ちゃんは自らの正義に従い、悪を殺すことなく殲滅し、生活と鍛錬を懸賞金でやりくりする日々を続けるのだった。