都会のビルの合間を流れた一筋の流れ星に気付かなかったカメコは、綺麗な星空が見たいと願った。
眩いくらいに星が瞬く田舎町に住んでいるのに、どういうことだろう。
転載元: 「都会でも見える星空」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3728
小さな田舎町で育ったカメコは、幼くして病気のために視力を失い、光を感じる程度しかできなくなってしまった。
視力を取り戻す唯一の方法は手術だと説明され、悩んだ末、カメコは都会の病院で手術を受けることにした。
手術前夜。
(昼間に光が差し込んでいたのは──この辺だったかな)
記憶を頼りに、カメコは病室の窓があったと思われる方を向き、空を見上げた。夜になってしまった今、彼女の視力では暗い窓の外の景色は見えない。
(あと少し頑張ったら──綺麗な星空が見えるかなぁ)
カメコが心の中でそう呟いた刹那、窓の外には一筋の流れ星が流れていた。