カメキチは、とつぜん、よのなかがイヤになってしまったようです。

このあいだ定年退職した父カメキチの元に、息子カメオが数年ぶりに帰省した。
酒を飲み交わしながらカメキチが近況を聞いたところ、
カメオは「実はちょっとした副業をやっててさ。わりと良い小遣い稼ぎになるんだ。」と話した。

カメオの話を聞いたカメキチは、ひどく落ち込んだという。
いったい、なぜだろうか。

【一行解説】

自分が萌え萌えキュンなVTuberの中の人が息子だと知ったから

【ストーリー】

数ヶ月前に定年退職したカメキチは、それまで仕事一貫だったこともあり、
これといった趣味もなく退屈な日々を過ごしていた。

そんなカメキチが友人に勧められてインターネットを始めてみたら大ハマリ。
特に最近のお気に入りはYouTubeの「あげはちゃんねる」である。
VTuberの「蝶野あげは」たんが視聴者とお喋りするだけのチャンネルなのだが、
その愛くるしい外見や挙動に萌え萌えキュン、なカメキチ。
特にその喋り方や仕草がなぜか心の琴線に触れる、というか他人な気がしない。
これはもう、萌えどころか恋といっても良いだろう。
ときどき自分のコメントを拾ってくれるあげはたんが心の癒し、そんな毎日だった。

そんなある日、問題文の出来事である。

カメオ「実はちょっとした副業をやっててさ。わりと良い小遣い稼ぎになるんだ。」
カメキチ「ほう、どんなことやってんだ？」
カメオ「VTuberって、オヤジは知らないだろうけどさ。
簡単に言うとインターネットの中で着ぐるみ着て視聴者と話をする、みたいなもん。
『あげはちゃんねる』って名前で、わりと人気あるんだぜ。」

カメキチ「・・・・・お前かよ！！！！」

そりゃ他人な気がしないはずですわ。