三日亡ず

大親友が禁煙の決意表明をしてすぐに死んでしまった。

なんで？

｢●●が煙草吸わないなんて、珍しいね｣
そう訊くと●●は一瞬目を泳がせてから、重々しく口を開いた。
｢怒らないで聞いて欲しいんだけど。｣
なんだろう？この前貸した漫画汚しちゃったとかかな。
｢私、こどもができたの。｣
えっ！？とっても驚いた。●●に彼氏がいたなんて知らなかったし。でも祝福こそすれど、怒るわけなんて全然無いのに。
｢それでね、この子の父親っていうのがね……。｣
いつもは朗々とした●●のぎこちない態度に薄々と感じる物はあったけれど、必死で気付かないフリをした。もちろんそんな抵抗は無意味で、すぐに致命的な言葉が突きささる。
｢▲▲君なの｣

気が付くと、私は真っ赤な灰皿を握りしめていた。