その時、カメオは深刻な病気に侵され、命尽きようとしていた。
一縷の望みにすがって様々な薬を試してみたものの、思うように効かない。
しかしその後、病院での懸命な治療を受けることで、なんとか一命を取りとめたのだった。
さて、カメオは今でもあの時のことを振り返り、結局薬が効かなくて良かったと考えているのだが、一体何故?
転載元: 「病床に咲く薔薇」 作者: tomo (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3561
カメオは重度の鬱病だった。彼は毎日のように、死のうとしていた。
しかし、自殺というのはとても大変なことだった。
ビルの屋上に上がれば、高い柵が彼の飛び降りを阻んだ。ロープを首に引っ掛けてみても、結び方が悪かったのか上手く締まらない。練炭を車内に持ち込んでも、煙が目に染みるだけで終わってしまった。
そして、追い詰められたカメオは、ついに睡眠薬に手を出した。
薬局から買ってきた様々な睡眠薬を、一気に200錠飲んだのだ。
しかしそれでも、彼は死ねなかった。彼は昏睡状態に陥り、病院へ緊急搬送された。
そして病院での懸命な治療により、何とか一命をとりとめたのだ。
それから彼は少しづつ、鬱から解放されていった。
現在、カメオは死のうと思う事もなく、元気に暮らしている。
そして、あの時飲んだ睡眠薬が効かなくて良かった、死ななくて良かったと、心からそう考えているのだった。