田中ん家に中学時代の初恋の人、さしゃこが訪ねてきた。
実に10年ぶりの再会である。
二人は中学時代の昔話に花を咲かせた。
さしゃこは母校の卒業アルバムに写っている中学時代のまだあどけない自分の顔と今の自分の顔を重ねて
「私、綺麗になった?」
と田中に聞いた。
その時のさしゃこの声量がやたらとデカかったのは一体なぜ?
転載元: 「顔もデカけりゃ」 作者: ダニー (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3547
「うん。中学時代の知り合い、全部ぶっ殺そう」
黒歴史だった中学時代。
その思い出を消し去るべく、ぶっ飛んだ考えに至ったさしゃこ。
有言実行の女さしゃこは次々と中学時代の知り合いをぶっ殺していった。
そして10人目。最後のターゲット。田中。
田中ん家のインターフォンを押すさしゃこ。
突然の初恋の人の訪問に浮かれる田中。
田中はさしゃこを部屋に招き入れ、昔話に花を咲かせた。
さしゃこが鼻フック相撲で男子相手に15人抜きをした話をしている時に
つけっぱなしになっていたテレビからニュースが流れた。
田中はニュースなど聞いていない。
鼻フックの時のさしゃこの鼻の傾斜角について熱く語っている。
しかしさしゃこは自分が起こした連続殺人がニュースで流れないか危惧しており、
田中とテレビの間にゆっくりと移動し、田中にテレビが見えないようにした。
その予感は的中。しかも既に警察は犯人を断定しており、
テレビ画面にはさしゃこの写真が映し出された。
マスコミが用意したのはさしゃこの中学校の時の卒業アルバムの写真。
さしゃこはテレビに映っている自分の顔を田中の視線から遮るために
頭を画面に重ねて、そしてニュースの内容を遮る為にやたらとデカい声で
「私、綺麗になった?なったよね?そりゃなるよ、15回も整形したもの。韓国にも行ったわさ。頬骨削って、顎にシリコン入れて、鼻の穴ちっちゃくして、頬骨削って、二重まぶたにして、鼻の穴ちっちゃくして、あひる口にして、頬骨削ったもん」
矢継ぎ早にまくし立てた。
ポカンとした表情でその話を聞き終えた田中は「いや、全然」と答えた。
そして田中は殺された。鼻フックで。