夏休み、おじいちゃんの家に遊びに行ったカメオ。
おじいちゃんは嬉しそうにカメオに竹トンボの作り方を教えてくれた。
しかしカメオが「本物のトンボの捕り方を教えて」とおじいちゃんに頼むと、
おじいちゃんは急に険しい表情になり、
「そんなこと、子供は知らなくて良い」と言ったきり黙り込んでしまった。
何故だろうか?
(おっさんのリサイクルです。)
転載元: 「【蜻蛉ますか?リサイクル】when September ends」 作者: ZENO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3539
カメオにトンボの捕り方を聞かれたおじいちゃんは、
不意に、第二次大戦中、戦地で飢えを凌ぐためにトンボを捕って食べた苦い記憶が蘇った。
カメオはただ無邪気に質問しただけだ、と頭では理解しながらも、その記憶の辛さや、
「この子が生きる未来は、トンボの捕り方なんて知らなくても生きていける
平和な世の中のままであって欲しい。」という気持ちを抑え切れずに、
「そんなこと、子供は知らなくて良い」と邪険な態度を取ってしまったのである。
「何か気に障ること言ったかな・・・」と呆気にとられるカメオをよそに、
志半ばに散っていった戦友に想いを馳せながら、しばし黙祷するおじいちゃんであった。