呉越同船

戦乱の世。
シン国とデイ国は、長年に渡り争い合っていた。
決着はつかないまま、備蓄していた食料は減り続け、領民は疲弊していく。
深刻な事態だと判断したシン国の王は、船団による奇襲攻撃を仕掛けることにした。

ところで、シン国王には、アシカとイルカという、二人の優秀な参謀がいた。
しかし彼ら、優秀なのはいいのだが、すこぶる仲が悪く、お互いに足を引っ張っている。
そこで国王は、一つの船に二人の部隊を配置することにした。
一体なぜだろう？

戦が終われば、戦争に長けたアシカとイルカは必要ない。
それどころか、今後も揉め事を繰り返し、内政に大きな悪影響を与えるだろう。
そう考えた冷徹な王は、戦争に乗じて二人を纏めて始末しようと目論んだのだった。

だが、王の企みに気づいた二人は激怒し、デイ国に寝返ってしまう。
結局、戦術の穴を突いたデイ国の反撃によって、シン国は滅んでしまうのだった。