あるところに、死ぬほど仲の悪い一族がいた。
そんな最中、一族の当主が死んだ。その遺産はなんと一億円!
その一億円をどう分けるかの親族晩餐会が一週間後に開かれる。
「あいつら全員殺して遺産を独り占めしたい。でも警察に捕まったら意味がない」と思い悩むAに魔術師が近づいた。
「やあ!一億円欲しいんだね。じゃあ僕の毒薬と蛇を貸してあげよう。
僕の毒薬は無味無臭だし、現代科学技術の検死じゃ絶対にバレない。
貸した蛇は魔法で君にしか見えないようにしてあげる。
蛇に命令して晩餐会のグラスに毒を入れれば、君は全員殺せるよ」
Aは喜んでレンタル料を払い、毒薬と蛇を借りて実行した。
晩餐会の翌日。
Aを含んだ一族全員が死体で見つかった。
何故?
転載元: 「蛇の魔術師と遺産騒動」 作者: アマリリス (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3380
魔術師はAの死体を見下ろしながらにこにこ笑った。
「やだなぁ。『君だけ』に蛇と毒薬を貸したなんて、僕は一言も言ってないよ。全員に同じようにセールスしたに決まってるじゃないか。
みーんながレンタルしてくれて、レンタル料で僕の懐はガッポガッポだ。君たちの仲の悪さに乾杯!」
一族中が蛇と毒薬を持って殺し合い。自分だけが億万長者になる夢を見た。
だって毒薬は無味無臭で、各自の蛇は貸してもらった人にしか見れなかったのだから
誰も気付かないのは当たり前なのだ。