【問題】
カメオは学校帰りに近所の山へ寄り道するのが大好きで、学校が終わりに近づくと、今日は何をしようかと、いつも楽しそうにしていた。
しかしある日、いつものようにカメオが日課の寄り道をした際、偶然にも、学校で噂になっていた「海亀町の七不思議」の1つである「歩く案山子」の真相を知ってしまう。
そしてその日を境に、今でも日課の寄り道には向かうのだが、カメオは一日中真剣な面持ちで考え込むようになってしまったという。
一体どういう事だろうか?
転載元: 「カメオの七不思議ファイル「歩く案山子」」 作者: dyty (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3260
【答え】
「歩く案山子」の真相とは、農家の人(以下「田んぼの神様」)が、田んぼを将棋盤、案山子を駒に見立てて、将棋を打っていたという事である。
これに気が付いたカメオは、毎日学校帰りに「田んぼの神様」相手に得意の将棋勝負を挑むようになり、そのための戦術を一日中練っていたのだ。
【概要】
ある時カメオは、いつものように学校帰りに寄り道をして、近所の山で遊んでいると、ふもとの田んぼに立っている案山子(計40体)の内、何体かの位置が日によってバラバラである事に気が付いた。
そして気になって数日じっくり観察してみると、誰かが(カメオ目線では「田んぼの神様」)田んぼを将棋盤、案山子を駒に見立てて「田んぼ将棋」をしている事にカメオは気が付いたのである。
そこで、将棋が好きで腕に覚えのあったカメオは、居ても立っても居られなくなり、ついにその「田んぼの神様」に、毎日数手ずつの勝負を申し込んだ。
それは1ヶ月にも及ぶ、文字通り泥に塗れた大激戦となったが、カメオはとうとう「田んぼの神様」を打ち破り、この対局は七不思議「歩く案山子」とともに「海亀町・田園の決戦」として語り継がれる事となった。
【「田んぼの神様」について】
・将棋をする「田んぼの神様」の正体は、実はこの田んぼで働く農家のおじさんだった。
近所でも有名な将棋指しのおじさんは、趣味が高じて、自分の田んぼで「田んぼ将棋」を指していたのである。
・おじさんは姿が見られないように、普段は夜こっそりと案山子を移動させていたのだが、この日はいつもより早く、日が暮れる前に案山子を動かしていたため、その場面を近くの山で遊んでいたカメオに偶然目撃された。
・いつの間にか自分が町の七不思議に数えられており、しかも自分の姿を見つけたカメオに「田んぼの神様」と呼ばれ、ちょっぴり嬉しかったのか、結局最後まで「田んぼの神様」を名乗り通した。
・カメオは夜になると山から田んぼの盤面の様子を見ることが出来ず、また家に帰るのが遅いと親に叱られてしまうため、おじさんは、カメオと対局する間は、カメオが田んぼに到着してから、日が暮れるまでの数手分だけ、勝負に付き合ってあげていた。
・なお「七不思議」である「歩く案山子」の内容は、「この海亀町では、夜な夜な田んぼを歩く案山子が現れる。それは、田んぼを荒らす悪い人間を懲らしめようと、怒った田んぼの神様が案山子を操って罰を与えようとしているのだ。」というものだった。
カメオがこのおじさんを見て「田んぼの神様」と呼んだのは、そのためである。
【田んぼ将棋について】
・この田んぼには、カラス除けの銀テープが格子状に張り巡らされており、囲まれた区画は将棋盤のマスの役目をしている。
・案山子はそれぞれ被っている帽子の種類や色が違い、駒の種類と対応している。
・自駒と敵駒の区別は、案山子の顔が向いている方向で判別している。
・先手後手は、案山子を倒して、頭側に陣があった方を先手とする。
・取った案山子は、それぞれの自陣側の田んぼの右隅に置かれる。
・「成る」と、案山子の背に旗が立てられる。
・汚れてもいい服装と、長靴の着用を推奨する。