日曜の深夜、日付が変わろうとするころ、住宅街に轟音が響いた。飲酒運転の車が電柱に突っ込んだのだ。
警察や救急車が駆けつけてきて、車から血まみれの運転手を担ぎ出す。付近住民も家から外に出てきて、周囲は騒然とした。
刑事が現場を取り巻いている住民に聞き取りをする。現場から6軒先の家に住んでいるカメオにも刑事が声を掛けた。
「事故が起こったのを目撃しましたか?」
「いいえ、寝ていましたので。大きな音を聞いて目が覚めて、なんだろうと。救急車の音とかで騒がしくなったんで、さっき起き出して出てきたんです」
「そうですか」
刑事はそこまで聞くと、車の窓ガラスや部品などが散乱する現場を見やってから言葉を継いだ。
「あれは、あなたの仕業ですか?」
「!い、いや、それは……」
しかし、実は刑事の言うとおり、カメオがやったことだったのだ。
なぜ刑事は言い当てることができたのだろうか。
転載元: 「日曜の夜遅く」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/326
現場には、車の窓ガラスや部品に加えて、大量の生ゴミや紙ゴミが一面に散乱してひどい有様だったのだ。車が衝突したとき、電柱に置いてあったゴミ袋を全部突き破ったのである。
刑事「何人かの奥さんに聞いたんですが、以前から収集の前の夜にゴミ出しをすることが多かったとか」
カメオ「はい……スミマセン」
刑事「『刑事さん、このゴミはあの人ですよ!』って何度も言われましてねえ。まあ、住民トラブルには警察は原則として関与せんのですが、今後は気をつけてくださいね。今回はたまたまですが、現場検証の邪魔にもなってますし」
解答:
それまでの聞き取りで、カメオが収集日の前の夜にゴミ出しをする常習犯だったことを刑事は聞いていたので、散乱するゴミはカメオのせいだと推測できた。