赤ずきんに何が起こったか？

薄暗い森の奥深く、茂みに隠れているウサギを見つけ、腹ぺこのオオカミが姿を現した。
しかし結局、そのウサギが食べられることはなかった。
一体何が起こったのだろう

終了日時は、6/2（日）の22:00を予定しています

薄暗い日暮れの森の中。

仕事を終えた木こりのカメオは、ふと空を見上げた。
生い茂る木々に隠れるように、月が空に浮かんでいる。

今日は満月。煌々と輝く月の表面には、餅をつくウサギの姿が現れている。
木の茂みに隠れているせいではっきりとは見えなかったが、
カメオには、満月が出ているという事実だけで十分だった。

とっさに目を閉じたが、遅かった。

次の瞬間、心の奥底から、血と肉に飢えた獰猛なオオカミが現れる。カメオの人間としての理性は一瞬で粉々になり、獣の本能が体を支配した。

狼男が、月のウサギに向かって大きく遠吠えをする。
あのウサギには届かなくとも、旨い食い物ならたくさんあるのだ。

服を破り捨てて四つん這いになったカメオは、近くの人里へ猛然と駆け出してゆくのだった。