ある日,大怪盗ラテーヌからの予告状がラテラル美術館に届いた.
なんでも,この美術館の宝を盗み出すのだという.
宝を守り抜くため,ウミオ率いる警備隊が召集された.
予告状で指定された日の夜,警備隊が館内に配備されたが,刻限が近づいてもラテーヌは一向に現れない.
ウミオ「定時通信.カメミ符丁を——化物.」
カメミ「硬化よ,コ・ウ・カ.こちら変わらず.奴の気配はなし.」
ラテオ「…なぁ,知ってるか?女児誘拐事件の犯人,逮捕だってよ.」
カメノフ「オイ,ナニシテル.オ宝ハ?」
ラテオ「センサーに異常なし.大丈夫さ.」
カメノフ「ヘマヲシタラ,隊ノ名誉ニ深刻ナダメージヲクウンダゾ.」
カメミ「そうね.あと,次のあなたの持ち場を占っといたわ.確認して.」
ラテオ「へいへい,了解.」
隊長のウミオは,部下たちの無線通話を目を閉じて聞いているだけだったが,
警備隊の中で唯一,カメオだけがすでに盗み出された後であることに気がついた.
なぜだろう?
転載元: 「インポッシブル・ミッション」 作者: 丼 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3152
【解答】
「貝」が盗まれていたから.
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【解説】
警備隊が守っていた美術館の宝は『白魔道士のシェル』.
時価数億円といわれる,貝殻に彫り出された『シェルカメオ』だ.
ウミオは部下たちの会話に違和感を覚えた.
何かがおかしい,いや,何かが『足りない』.
ウミオはしばらく目を閉じ考えていたが,ハッと机を蹴って立ち上がり,叫んだ.
「貝が『足りない』!」
そう,自分たちの会話が不自然だったのは『貝』が抜き取られていたからだ.
「貝が!!『カメオ』が『盗まれている』!!!」
ウミオは全てを悟ったが,時すでに遅し.
怪盗ラテーヌは『白魔道士のシェル』をポケットにしまうと,高笑いとともに闇に消えていった.
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【補足】「カメオ」が盗まれていない場合の隊員の会話
ウミオ「定時通信.カメミ符丁を——貨物.」
カメミ「硬貨よ,コ・ウ・カ.こちら変わらず.奴の気配はなし.」
ラテオ「…なぁ,知ってるか?嬰児誘拐事件の犯人,逮捕だってよ.」
カメノフ「オイ,ナニシテル.財宝ハ?」
ラテオ「センサーに異常なし.大丈夫さ.」
カメノフ「ヘマヲシタラ,隊ノ名誉ニ深刻ナダメージヲ負ウンダゾ.」
カメミ「そうね.あと,次のあなたの持ち場を貼っといたわ.確認して.」
ラテオ「へいへい,了解.」