カメコが今日靴を買いに来たのは、昨晩、ジョギングから帰宅する途中で、誰かに追われたからだと言うのだが、昨晩の出来事の真相は?
転載元: 「迫り来る音」 作者: dyty (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3098
【答え】
「運動靴の靴底に石が嵌り込んでおり、地面と擦れる音を誰かに追われたと勘違いしてしまった」ので、石が嵌り込まない、靴底がフラットなタイプの靴を買いに来た。
【ストーリー】
カメコの最近の楽しみは、真夜中にジョギングをすることだ。自宅から徒歩30分ほどの距離にある川沿いの土手は、走ると夜風がとても心地よいのである。
ある晩、いつものようにジョギングをすませ、人気のない市街地を歩いていると、ふとすぐそばでカメコが歩くのに合わせてカツッ、カツッ、という音がするのを耳にした。不審に思い、立ち止まって辺りを見渡してみたが、どこにも人影はなく、シンと静まり返っている。
よく考えれば、真夜中の、しかも人気のない市街地だ、誰もいようはずがない。音にしたって聞き間違えだったのだろう。そう自分に言い聞かせて、今度は足早に歩き出すと、また耳元にあの音が、カメコの歩くスピードに合わせて聞こえてくるではないか。カメコは素早く振り返ったが、やはり誰も見当たらない。疑念や不安が急速に膨らんでくるにつれ、ブワッと全身から冷汗が噴き出し、鼓動も息苦しいほどに早まってきた。たちまちパニックに陥ったカメコは、ジョギングの疲労も忘れ、背筋が凍る思いで一目散に自宅へと駆け出した。
息を切らしながら、やっとの思いで玄関をくぐると、カメコの耳にコロコロッという、乾いた音が聞こえてきた。はっと足元を見てみると、ほんの小さな小石が転がっているではないか。そこでようやくカメコは音の正体に気が付き、ほっと安堵したが、次第にこんなものに踊らされていた自分自身に腹が立ってきた。そして翌日、二度とこんな事がないように、靴底がフラットなタイプのジョギングシューズを買いに行ったのである。