診療を終え、帰ろうとする女が、「今度は花を持ってくる」と私に告げた。
状況を補填してください。
転載元: 「【ウミガメのスープ】 蝶よ、花よ。」 作者: dyty (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3049
【解説】
ある母親が3歳になる娘を連れて、予防接種のため、小児科医の私が勤めるA大学病院を訪れた。
そして長い長い待ち時間の末、ようやく名前を呼ばれて、その親子が診察室に入ってきた。
今日はあいにく、同じように予防接種を受けに来た親子が殺到しており、予想以上に待ち時間が長くなってしまったので、私も申し訳ない心持ちだったが、不思議とその女の子はニコニコとした表情だった。
私は不思議に思いつつも、さっそく予防接種にとりかかった。普段ならこれでこの子は、こちらの鼓膜が破れんばかりに大泣きするので、少し心構えをしていたが、驚いたことに今日に限っては、泣かないどころかほんの少し痛そうな表情を見せただけで、依然ニコニコとしているのだ。
感心しつつもやはり不思議に思った私は、帰り際の女の子に「今日はえらかったね、全然泣かなかったね。何かいいことでもあったのかな?」と声をかけてみると、女の子は振り返って嬉しそうに、「あのね、せんせい、わたしちょうちょをみつけたの!」と答えた。
「そうなんだ、それは良かったね、どこで見つけたの?」と聞くと「えれべーたー!」と言うではないか。この病院のエレベーターの壁は、四方が白い無地のデザインで、蝶々の絵などは描いていないはずだが、はて…?
ますます不思議そうにしている私に、母親がそっと教えてくれた。「先生、娘が言っているのは、エレベーターの「閉じるボタン」のことなんですよ」
「わたしこんどね、ちょうちょに、おはなをもってきてあげるの!」
※拙い作品でしたが、最後まで遊んでいただき、誠にありがとうございます。私が実際に体験して「子供の発想力って、面白いなぁ」と、思わずほっこりしたエピソードを元に試作したスープです。拙い語力であれやこれやと変更や後付けを加えたため、うまく表現できていなかったり、出題文や問題設定等々、多くの不備や改善点があると思いますが、何卒ご了承ください。またよろしければご指導いただけたら幸いです。