息子の絵日記を覗き見たカメコは、そこにツバメの巣が描いてあったので
「夕飯はカレーにしよう」と決めた。一体何故?
(かきくりーむけろっこさんのリサイクルです。)
転載元: 「 【燕ますか?リサイクル】ぼくのなつやすみ」 作者: ZENO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2976
【要約】
息子の絵日記に描かれていたのは、未来の日記。
そこには、中華料理を食べた帰りに交通事故でカメコたちが死ぬ未来が描かれていた。
カメコは最初は信じなかったが、他に描かれている出来事が全て的中したので
未来予知が本物であると悟り、運命を変えようとしたため。
【お話】
今日は夏休みの学年登校日。
小学一年生になる息子を送り出した後、息子の部屋を掃除していた時に
ふと、机の上に置かれた絵日記帳がカメコの目に留まった。
「ウフフ、どんなこと書いてるのかしらん。」とページを開いてみると
そこには、何故か今日の日付の絵日記が書かれていた。
「あさ10じ。おとなりのケンくんがなげたボールで、まどガラスがわれた。」
「ひる12じ。おばあちゃんからなつミカンがとどいた。おいしそう。」
「ひる3じ。にわか雨がふって、タマがずぶぬれでかえってきた。さむそう。」
「よる7じ。パパとママと、中かりょうりをたべにお出かけした。すごくおいしかった。」
ツバメのすもはじめてたべた。すごくたかいんだって。」
「よる9じ。くるまでおうちにかえるとき、バスとぶつかった。」
パパとママがうごかなくなった。パトカーがいっぱいきた。ぼくねむいのに。」
無邪気な絵や文とは裏腹な内容に、背筋に寒いモノを覚えるカメコ。
「・・・何なの、この悪趣味な冗談は。帰って来たらうんと叱らなきゃ。」
ところが、その後。
10:00 パリーン!「カメコおばさん、ごめんなさい・・・。」
12:00 「宅配便でーす。」
15:00 「にゃー。」(ポタポタ)
カメコ「・・・。ぐ、偶然よ。ケンくんはしょっちゅうボール遊びしてるし
ミカンのことはおばあちゃんから前もって電話で聞いてたのよ。
にわか雨だって今朝の天気予報で言ってた・・・、わよね?」
しかし、いくらなんでもツバメの巣は有り得ない。
そんな高級食材を食べる余裕なんて我が家にはないし、
そもそも、今日は外食の予定なんて無い。
そう思っていた矢先にパパからの電話。
「カメコか。ずっと前に会社の懇親会で中華料理のフルコースが
当たってたのを忘れてて、今、机の引き出しからチケットが出てきたんだ。
期限が今日までだから3人で行こうと思うんだけど、予定空いてる?」
カメコは確信した。これは偶然なんかじゃない。
理由は分からないけども、絵日記に書かれていることは「事実」なんだ。
このまま何もせずにいたら間違いなく私たちは死んでしまう。
今からでも未来を変えることは出来るのだろうか。
それは分からない。だが、何もしないよりは遥かにマシだろう。
世界線の分岐に一縷の望みを掛けて、カメコは即答した。
「いいえ、夕飯はカレーにします。絶対に。」