ラーメンを注文した男は、すごくモヤモヤすることになった。
しかしそのモヤモヤのせいで、彼はクレームをつけることを躊躇ったという。 一体なぜ?
転載元: 「もやっとラーメン」 作者: アシカ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/289
中国に留学している男は、道端で一軒のラーメン屋を見つけた。
店の前には、「完璧のラーメンの堅持 職人の一心に お客の安心に の味が好き しっかりと面」と記された威風堂々たる看板が。
何とも好奇心をそそられるではないか。
店に入った男は、さっそく札幌味噌ラーメンを注文した。
ドキドキ。ワクワク。
そして差し出された一杯のラーメン。盛り付けは完璧。スープを一口飲んだ男は、遠い故郷の味を思い出して心が和やかになった。
さ〜て、麺だ。め…ん…米线!?
(米线:ミィシェン。そうめんとうどんの中間くらいの太さで、コシはあんまりない。大体そんな感じ)
こんなんラーメンじゃねぇ!そう思いかけた男だったが、ふと気づいてしまった。
ラーメン。別名、中華そば。そして、ここは中国。
さらには蕎麦というわけでもない、小麦の麺。これ以外は完璧なのだ。
もはやこれは、ラーメンではないか?
いやでも麺がなぁ〜。だけど中国四千年の歴史だぜ?
中華そばを中国から輸入して、それが中国に逆輸入されて。
それで麺だけが違うからといって、ケチをつけるなんてなんだかなぁ…。故郷思い出しちゃったしなぁ…。
そうして悶々とした男は、結局ラーメンではないと否定しきれず、しっかり完食して店を出て行った。