田中の父親が殺人犯の容疑者になったのは、田中が父親の写真を持ち歩いていたからだという。
一体どういうことだろう?
転載元: 「父親は殺人鬼」 作者: 福元 術 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2877
とある公園で女性の刺殺体が発見された。
被害者は岸浦夏美(26歳)。
警察は殺人事件として捜査を開始した。
警察はまず被害者の交友関係を洗ったところ、夏美の友人から有力な情報を聞き出した。
それは、
「夏美は京極達也(28歳)という男と交際しているが別れたがっていた。それは、京極がキレると夏美に手をあげるようになったから。」
というものだった。
「京極は別れを切り出した夏美に怒りを覚え、殺害したのではないか」
そう睨んだ警察は京極に死亡推定時刻のアリバイを尋ねた。
しかし、京極は「その夜は自宅にいた」と容疑を否認。
翌日、刑事の田中は事件現場の公園の近所で聞き込みを行った。
すると、死亡推定時刻に不審な男を見たという1人の女性に出会った。
「その男はこの中にいますか?」
田中はそう聞くと、女性に京極の写真と同僚の写真、そして自分の父親の写真を見せた。
信憑性のある証言を得るために、事件に関係のない人物の写真も見せるのは捜査の基本だ。田中はいつも友人の写真と強面の父親の写真を持っている。
「この人だったと思います。」
目撃者の女性が指差したのは田中の父親だった。
田中は父親から「勝手に俺の顔写真を捜査に使うな」と怒られたそうな。