しがない靴職人の山田は、シンデレラに心から感謝した。
山田とシンデレラとの間には全く面識がなかったというが、
いったいどういうことだろうか。
転載元: 「幸せは誰かがきっと」 作者: ZENO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2849
【要約】
山田が窃盗を犯した数日後に開催された舞踏会で
それまでの生活状況からはあり得ない豪奢な姿を目撃されたシンデレラが
窃盗犯と誤認され、逮捕されたから。
【お話】
舞踏会の数日前、とある資産家の屋敷で窃盗事件が発生。
警察による聞き込み捜査の結果、シンデレラが容疑者として浮上、逮捕された。
というのも、シンデレラがカボチャを模した豪奢な四輪馬車で舞踏会を訪れ
美しいドレスとガラスの靴を身に纏っていた姿を多くの人に目撃されていたが、
シンデレラは普段から継母や義姉に下女同然にこき使われており、
そのような金銭的余裕があるはずもなかったためである。
シンデレラが逮捕されたことは翌日の新聞にも掲載され、
山田を含め、たちまち街全員の知るところとなった。
シンデレラ「違います!これは親切な魔法使いさんがしてくれたことなんです!」
警察「・・・。」
精神鑑定も視野に入れながら、警察の裏付け捜査が進む。
ガラスの靴の入手先を調べるために街の靴屋に聞き込みが行われた。
そして、しがない靴職人である山田の元を警察が訪れた際の供述。
山田「ええ、舞踏会の直前にシンデレラさんからガラスの靴の注文を頂きましたよ。」
お代は現金ではなく宝石で支払いたいと仰るので、この宝石を頂きました。」
そう言って山田が警察に提出したのは、屋敷から盗んだ宝石のひとつ。
警察「こりゃ間違いないな。シンデレラが犯人だ。」
「宝石を換金するルートがないから物々交換で他のモノに替えちまったわけだ。」
結局、馬車やドレスの入手経路は特定できなかったものの、
前述の状況証拠に加えて、山田の供述と宝石が決定打となり
シンデレラは有罪判決を受けたのだった。
一方、真犯人の山田は思いがけない幸運に心から感謝したのである。
「幸せを運んでくれたシンデレラさん、本当にありがとう。」