届かない声7　もしもしカメさん編

カメ

ウミオ氏の自宅の書斎にて、彼が血を流して死んでいるのが発見された。
血だまりの中に沈む彼の指先には、血で書かれた「カメ」の2文字が。
ダイイングメッセージである。
警察の捜査の結果、ウミオ氏に近しい者で「カメ」の付く名前を持つのは友人のカメオという男のみ。カメオは当初容疑を否認していたが、連れていかれた現場で「カメ」のメッセージを見せられると、あきらめたように犯行を認め、殺人容疑で逮捕された。

カメオの証言によれば、カメオがウミオ氏から借りていた金について口論になり、カッとなって刺したとのこと。カメオはその場にあった金をあらかた奪い去ってそのまま逃走、ウミオ氏は血だまりに倒れ込んだ。

カメオも、他の誰も知らないことだったが、ウミオ氏は、最後まで、誰かに助けを求めていた。ウミオ氏は一人暮らしで、当時、近くには誰もいなかったが、薄れゆく意識の中で、声をあげようとしていた。
しかしほとんど出ないその声も、誰にも届かず、せめてメッセージを書こうとして、それも「カメ」まで書いたところで力尽きた。
彼の声は、もう、どこにも届かなかった。
近くに住んでいて、通りかかった際に不穏な気配を感じてウミオ氏の家に入ったあなたが、死体とメッセージを見つけ、その意味を悟るまで、どこにも、届かなかった。
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【FA条件】
「カメ」が「カメオ（カメタなどでもいいが）」の死体の横にあるダイイングメッセージの途中であると気づき、警察を呼ぶなり近所の人を呼ぶなどすれば、あるいは「カメオ！なぜ死んだんだ！」のような質問が出れば解決（質問状況によっては気づきの時点で解決）